私が飼ってる猫は避妊手術をしてから湿疹が出るようになりました。
最初はすぐ治るだろうと思っていましたが、状態はひどくなるばかり。
昔から馴染みのある動物病院で治療をしてもらっていましたが、ある時、治療方法に疑問を持ちました。
それは、ステロイド注射を一度に3本打ったことです。
ステロイドは即効性のある強力な薬です。
強力な薬は体に負担がかかります。
それを3本も打ったことでそこの動物病院の治療方法に疑問を持ちました。
今は皮膚炎に詳しい獣医師さんがいる動物病院に変えて、だいぶ症状は落ち着いてます。
私の猫さんと同じように皮膚炎で苦しんでる猫さんを飼ってる人にステロイドの副作用の怖さを知ってほしくて記事にしました。
猫さんの一助になれば幸いです。
ステロイドが効果と副作用
効果
まず、ステロイドを使用することでどんな効果があるのでしょうか。
- 体の炎症を改善
- 体の免疫力を抑制
ステロイドは主に体の炎症を治す時に使われます。アレルギー性皮膚炎や鼻炎、眼疾患(結膜炎やぶどう膜炎)、口内炎、関節炎など多くの炎症性疾患に対して即効性のある薬です。また、腫瘍性疾患では抗がん剤としても使われます。
そんな優れた薬ですが、使い方を誤ると副作用で体に異常が出てきます。
どんな副作用があるのかご説明します。
副作用
ステロイドは連続で数ヶ月使用したり、使用量は少なくても1年以上使い続けていると副作用が見られてきます。
それでは、どんな副作用があるのでしょうか。
- 副腎機能の低下(医原性クッシング症候群)
- アジソン病
- 糖尿病
- 下痢や嘔吐
- 感染症にかかりやすくなる
ざっとこれだけの副作用があります。
ひとつひとつ解説していきます。
副腎機能の低下(医原性クッシング症候群)
クッシング症候群とは、コルチゾールという副腎皮質ホルモンの過剰で見られる症状の総称で、「自然発生クッシング症候群」とステロイド(副腎皮質ホルモン)を過剰に投与した場合の「医原性クッシング症候群」があります。
ステロイドの投与で現れる症状は医療行為からなるものなので「医原性」なのです。
本来、副腎皮質ホルモンは腎臓のそばにある副腎が作り出すホルモンですが、薬によって体内に入れることで副腎が萎縮、機能低下してホルモンの分泌量が極端に減ってしまいます。
見た目からわかる症状としては
- 肥満
- 脱毛
- 皮膚が薄くなる
- お腹が垂れ下がる
- 筋肉が萎縮する
- 水をたくさん飲む
- 排尿の量や回数が増える
- 食欲が増す
私の飼ってる猫もクッシング症候群の症状があります。皮膚にハリがなく薄く、お腹が垂れ下がってます。
お腹を舐めすぎて毛がないのでよくわかります。
副腎皮質機能低下症(アジソン病)
ステロイド治療を長期間続けたことで、副腎という臓器のホルモンを分泌する機能が低下、停止することでクッシング症候群を引き起こします。
では、急にステロイド治療をやめればいいのかというとそうではありません。
機能低下した副腎は自力でホルモンが作れない状態なので、ここで急にステロイド(副腎皮質ホルモン)の投与をやめてしまうと別の病気を発症してしまいます。
それが、副腎皮質機能低下症(アジソン病)です。
症状としては
- 食欲減退
- 嘔吐
- 腹痛
- 体重減少
- ぐったりしている
- 血糖値が下がり急に倒れる
- 脱水
などが主な症状です。
糖尿病
ステロイドは肝臓で糖質以外の物質からブドウ糖の代わりのものを作る働きがあります。それが糖新生と呼ばれるものです。
ステロイドのタチが悪いところは、血糖値をコントロールするインスリンの効き目を悪くしてしまうのです。
糖新生を作り血糖値を上げる⇒インスリンが効かない⇒血糖値が高い状態が続く⇒糖尿病 となるわけです。
下痢や嘔吐
ステロイドによって、胃や腸の粘膜の保護成分が少なくなり、胃腸の潰瘍(かいよう)を発症することもあります。
ステロイド治療をしてから下痢や嘔吐が目立つようなら要注意です。
感染症にかかりやすくなる
ステロイドは炎症を鎮める作用の他に免疫力を抑える作用があります。本来は外敵に対して働く免疫反応が自分の体内の成分に対して働いてしまう免疫異常を抑えるという効果があります。
ただし、正常な免疫反応も抑えてしまうということに注意しなければなりません。
ステロイドの量や期間に気をつけなければ、免疫力が低下し感染症にかかりやすい体になってしまいます。
「短期間でも多量」、「少量でも長期間」であれば感染症リスクが高くなります。
副作用の症状が見られたらできるだけ早く病院で診てもらってください。ただし、今までの動物病院で診てもらわないほうがいいかもしれません。
次は、気をつけたほうがいい病院についてお話します。
気をつけたほうがいい病院・安心できる病院とは
私が小さい頃から動物病院といえば「近所の動物病院に行けばいい」と思ってましたし、そうしてました。
でも、実際は動物病院ごとに得意、不得意、知識不足などで治療に差があります。中には金儲け優先とする獣医師も少なからずいます。
あなたの大切な猫さんにとって、適切な治療をしてくれる病院を探さなければいけません。
気をつけたほうがいい病院
では、気をつけたほうがいい病院とはどんな病院なのでしょうか。
- 広告を出している
- 触診せずにいきなり大掛かりな検査をする
- 専門用語ばかりで説明がわかりにくい
- きちんと説明してくれない
- 同じ治療方法ばかりする
- 獣医師に対して看護師やスタッフがタメ口や命令口調
- 獣医師の入れ替わりが頻繁
- 治療費が異常に高い
- 診察室や病院内が汚い
上記のようなポイントが見える病院は要注意です。
私が動物病院を変えるきっかけは冒頭にもお話しましたが、一度にステロイド注射を3本打ったことがきっかけで「この病院は危ない」と直感したからです。
それまでも湿疹ができてはステロイド注射で対応してました。たまに抗菌剤や消毒剤となる塗り薬やスプレー式のものも処方されましたが、私自身が耳鼻科で処方された抗菌剤と同じものだったり、ヒリヒリしてる患部にアルコールが入った消毒スプレーを処方したりという経緯もありました。
ヒリヒリしてるところにアルコール付けたら染みて痛いですから余計に猫は嫌がりますよね。
そんなこんなで、私は病院を変えることにしました。
では、他の病院を探す時、「ここは大丈夫かも」って思える病院の見分け方をお話します。
安心できる動物病院
あなたの猫さんが適切な治療を受けられるように、どんな病院なら安心できるのかポイントをお話します。
- 話しやすい空気を作ってくれる
- 目を見てきちんと話を聞いてくれる
- 素人でもわかるように説明してくれる
- 猫が怖がらないように話しかけて安心させようとしている
- 猫の体に触って診察している
- 検査を行う前に、検査の必要性や疑わしい病気の説明をしてくれる
- 検査の実施判断を飼い主に判断させてくれる
私が現在お世話になっている動物病院はすべて当てはまります。
近所にこうゆう病院があればいいですが、無い場合は少し遠くても、良い病院を探してください。それが猫さんのためですから^_^
私がお世話になっている動物病院には、高速道路を使ってくる人もいます。すごいなって思いました。飼い主さんのペットを思う気持ちもですが、それだけ動物病院が信頼されてるってことですから。
経済状況は人それぞれですので、無理のない範囲で「良い病院」を見つけてください。
まとめ&私の猫さんのお話
私が動物病院を変えてから猫さんの症状はだんだん良くなっていきました。
とはいっても、完治はしないですね。皮膚炎になって8年くらい経ちますが、ずっとお腹の地肌が見えた状態です。
病院を変えたばかりの1年くらいは2週間に1度の頻度で病院に行ってましたが、色々と模索しながら治療を続けて、今は年に2回くらい病院に行く程度で済むくらい症状が安定してます。
どうやら季節の変わり目や空気が乾燥する季節はひどくなりやすいです。
ですから冬は加湿器を使います。
そうそう、ステロイドは注射、錠剤、塗り薬があります。注射や飲み薬は全身に薬が回るのでひどい時には有効ですが、ちょっとだけ部分的に湿疹ができてる場合は塗り薬をつけるといいです。塗り薬なら全身に薬が行くことはないので体への負担も軽くなります。
また、錠剤も猫さんの体に合わなくて吐いてしまう場合もあると思います。私の猫さんも色々飲み薬を試しました。
吐いてしまった時は無理に続けるのはやめて、病院に状況を伝えてください。
最後に、ステロイドは悪者ではありません。適切な使い方をしてこそ効果を発揮します。どんな薬にも副作用はあります。用法用量を正しく使う獣医師さんと出会ってください。