もち麦と押し麦は同じ大麦ですが、なにが違うのか気になったのでまとめました。
この記事では『性質』、『食感』、『精製方法』、『価格』、『栄養成分』の5項目の違いを比較して、もち麦と押し麦の違いと使いやすさや食べやすさから見て、どちらがいいのか個人的見解も含めてお話します。
もち麦と押し麦どちらを選べば良いか悩んでいるあなたに参考になれば幸いです(^^)
もち麦と押し麦の性質の違い
もち麦と押し麦はそもそもの性質が違うのでどう違うのかお話していきます。
押し麦はうるち(粳)性、もち麦はもち(糯)性となっています。
うるち性は、アミロースという消化しにくいデンプンが20%~30%、アミロペクチンという消化されやすいデンプンが70~80%含まれています。
もち性は、消化しにくいアミロースが0~10%と少なく、消化されやすいアミロペクチンは90~100%あるので、押し麦よりも消化されやすい糖質であることがわかります。
もち麦と押し麦の食感の違い
うるち麦はアミロースが含まれていることで、パラパラした食感になります。
カレーや麦とろなど水分のあるおかずと相性が良いです。
もち麦はほとんどデンプンがアミロペクチンなので、モチモチ感が特徴的で、冷めても食感が変わらないのでお弁当に向いてます。もちろんカレーや麦とろなど水分のあるおかずもOKです。
もち麦・押し麦・米粒麦の精製の違い
ここからは、うるち麦の米粒麦も追加して、簡単に精製の違いをまとめました。
押し麦の精製方法
押し麦は、外皮を取り除いた後、90℃の蒸気で加熱して、柔らかくなったらローラーで1mmくらいの厚みになるように押しつぶします。
平たくすることで吸水性が高くなるので、柔らかく炊きやすくなります。
米粒麦の精製方法
米粒麦は、外皮を取り除いた後、粒の真ん中にある黒い線(黒条線)に沿って切断して、90℃の蒸気で加熱します。その後、磨いて精製します。
米粒のような形になるので米粒麦と呼ばれてます。米とほぼ同じ比重になるように加工してるので、米と混ざりやすく目立たないので食べやすいです。
もち麦の精製方法
もち麦は、メーカーにより内皮を残したり、取り除いたり、まちまちです。
押し潰さないで大麦の形をそのまま残してるので、丸麦ともいいます。
もち麦・押し麦・米粒麦の価格の違い
- もち麦 国産 1kg 約1000円 送料無料
- 押し麦 国産 1kg 約1000円 送料無料
- 米粒麦 国産 950g 約800円 送料無料
楽天の商品からいくつか見てみましたが、どちらも価格差はほぼ同じで気にするほどではありません。
では、栄養成分には違いがあるのか見てみましょう。
もち麦・押し麦・米粒麦・白米の栄養成分の違い
ここでは100gあたりに含まれる特徴的な栄養成分を日本食品標準成分表2015年版(七訂)の情報を元にまとめました。
もち麦の栄養成分は掲載されてなかったので、ここではうるち麦の押し麦・米粒麦と白米を比較してます。
基本的な栄養成分に関しては、もち麦もうるち麦と大きな差はないと思うので参考にしてください。
カロリー
- 押し麦:346kcal
- 米粒麦:343kcal
- 白米:358kcal
炭水化物
- 押し麦:78.3g
- 米粒麦:76.2g
- 白米:77.6g
水溶食物繊維
- 押し麦:6.7g
- 米粒麦:6g
- 白米:微量
不溶性食物繊維
- 押し麦:5.5g
- 米粒麦:2.7g
- 白米:0.5g
カリウム
- 押し麦:210mg
- 米粒麦:170mg
- 白米:89mg
カルシウム
- 押し麦:21mg
- 米粒麦:17mg
- 白米:5mg
マグネシウム
- 押し麦:40mg
- 米粒麦:25mg
- 白米:23mg
リン
- 押し麦:160mg
- 米粒麦:140mg
- 白米:95mg
リノール酸
- 押し麦:590mg
- 米粒麦:860mg
- 白米:300mg
αリノレン酸
- 押し麦:33mg
- 米粒麦:54mg
- 白米:11mg
参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
カロリーと炭水化物は白米と比べてほとんど変わらないですね。
ただ、炭水化物は糖質+食物繊維なので、食物繊維が多いほど糖質が少ないことになります。
なので、白米はほとんど食物繊維がありませんが、押し麦や米粒麦には白米の約17倍~24倍の食物繊維があり、その分、糖質は白米に比べて17分の1~24分の1ということになり、ダイエット向きなのがわかりますね。
大麦はミネラルも豊富で、骨の構成に必要なカルシウム、マグネシウム、リンが白米の約1.5倍~4倍あります。
必須脂肪酸はリノール酸で白米の約2倍~3倍、αリノレン酸は約3倍~5倍もあります。
今回取り上げなかったビタミン類は大麦も白米も微量もしくはゼロなので、おかずからしっかり摂るようにしてください。
また、もち麦にはβ(ベータ)グルカンという水溶性食物繊維が押し麦や米粒麦に使われるうるち麦よりも多く入っています。
品種にもよりますが約2倍~4倍、もち麦のほうがうるち麦よりも多く入っています。
もち麦の効果についてはコチラをチェック!
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使いやすさ・食べやすさで選ぶなら押し麦?もち麦?
結論は『個人の好みによる』です。
その理由を説明していきます。
まず、浸水(吸水)させたほうがいいのか浸水(吸水)させなくてもいいのかについてですが、どちらも浸水させてもさせなくても炊くことは可能です。
浸水して吸水させたほうがやわらかくなりますが、浸水させなかったからといって硬すぎることもないので、両方試してみて、食べやすいほうを選んでください。
※皮が付いてるもち麦の場合は浸水時間を2~3時間必要だったりするので、使っている商品の説明を確認してください。
味に関しては、もち麦にはりんご酸が白米と比べて多く含まれているので、食べた時、多少酸っぱく感じる場合があります。
ただし、産地や作られた年によっても酸っぱさが変わりますし、酸っぱく感じる人と感じない人と個人差があるので食べてみないとわからないところですね。
昨今、もち麦が注目されているのはβ(ベータ)グルカンの含有量がうるち麦よりも多く入っているというところがポイントで、もち麦が苦手だと感じた人は押し麦や米粒麦を食べて、おかずから水溶性食物繊維を摂ればいいわけです。
食感の違いでみると、冷めてもおいしいのはもちもち感が強いもち麦です。押し麦のパサパサ感が気になるようならもち麦がオススメということになります。
価格の違いのところでお話しましたが、価格は押し麦ともち麦は国産1kgで比較してもほとんど差がないので、もち麦と押し麦どちらを使うかを決めるのは味とか食感になり、個人の好みが出るところなので、ぜひ両方試してみてください。
まとめ
もち麦と押し麦の違いは以下の5つになります。
- 性質:押し麦はうるち性、もち麦はもち性
- 食感:押し麦がパサパサ、もち麦はモチモチ
- 精製方法:押し麦は押しつぶす、もち麦はつぶさないで丸いまま
- βグルカン含有量:押し麦は3~5%、もち麦は6%~12%
- 味:押し麦は酸味ない、もち麦は酸味がある
もち麦を食べたくなったら炊き方もチェックしましょう。
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