私は独身の30代後半。彼女もいないので結婚できる可能性はなさそうなので、家を買おうと決めました。
独身ならずっと賃貸でもいいと最初は思っていたのですが、私なりに調べてみたところ『さっさと家を買ったほうがいいぞ』ということがわかりました。
ただ、周りは結婚してから家を買う人ばかりなのに、独身で家を買って大丈夫なのだろうか。変な目で見られないかと不安にもなりました。
ですが、時間は止まりません。独身でも買える時に買っておかないと後悔するかもしれませんよ。
独身で家を買うのはアリか? と聞かれればアリです!
ですが、メリット・デメリットがあるので、それを把握した上で、家を買うのか買わないのか決めたほうがいいです。
それではまず、独身の人が家を買う割合はどのくらいなのか。そこから見ていきましょう。
独身の人が家を買う割合
実際に独身の人が家を買ってる割合はどのくらいなのでしょうか。
一般社団法人 不動産流通経営協会が平成30年1月にまとめた調査結果によると、一人で住むことを前提に家を買った人の割合は、家を買った人全体の10.8%となっています。
結果としては全体の約1割となってますが、この調査に参加してない購入者もいますから、潜在的にはもっといるのではないでしょうか。
今後は、時代の流れで独身者が増えていく傾向にありますので、独身で家を買う割合も増えていくと私は予想します。
ただ、人それぞれ置かれている状況は違うので、独身の今、本当に家を買っていいのか迷ってる人もいるでしょう。
次からは独身のうちに家を買うメリット・デメリット、また、賃貸で生活を続けた場合のデメリットもお話していきますので参考にしてください。
独身で家を買うメリット
- 土地、建物という資産が作れる
- 家賃の支払いからの開放
- 老後の住居費がかからない
- 集合住宅の騒音問題からの開放
- グレードの高い家に住める
- 結婚に有利になるかも
一番下の『結婚に有利になるかも』というメリット以外は、独身に限らず、家を買った時の共通のメリットですね。
土地・建物という資産が作れる
家を買うと固定資産税が取られます。つまり、『家は資産』ということ。
ただし、建物に関しては年月の経過と共に資産価値が下がってしまいます。やはり使っていくと劣化していくものですから、新築として出来た時点から資産価値は下がっていきます。
なので、建物を資産とするためにはローンではなく、一括で支払うのがベストです。
とはいっても数千万もする家を一括で払えるのは少数ではないでしょうか。
しかも、建物は22年経つと資産価値はゼロになるといわれています。資産価値の無くなった建物のローンを払い続けるのもツライですから、22年以内に完済できるプランを考えたほうがいいかもしれません。
土地に関しては、年数が経っても価値が下がることはないので、将来、売却を考えるならば立地のいい場所のほうが買い手が付きやすいでしょう。でも、立地が良いと当然、自分が買う時の価格も高いですから、無理のない範囲で検討してみてください。
家賃の支払いからの開放
現在アパート暮らしで、仮に月7万の家賃を払っていたとしたら、1年で84万円です。これを20年間続けたら家賃1680万円+2年毎の更新料(3万5千円×10回=35万円)=1715万円かかります。
賃貸であれば、これだけ払っても自分の家にはなりません。しかし、これだけの費用を住宅購入にあてると、郊外のローコスト住宅であれば20年ほどで完済できる金額です。
建物や立地にそれほどこだわりがなければ、賃貸の時と同じ金額で持ち家を手に入れることができるんです。
ただ、物件を色々見学して、グレードの良いものを見てしまうと快適さや使い勝手が良いですからつい欲が出てしまいがち。高い家を買って生活が苦しくなってしまわないように注意が必要です。
老後の住居費がかからない
これはあくまでも60歳までに完済できた場合です。60歳を過ぎると再雇用として給与が半額になる可能性大です。60才を過ぎてもローンが残っていると生活がかなり厳しいものになるでしょう。
せっかく持ち家を手に入れても、賃貸の時と変わらないか固定資産税も乗っかるので持ち家があることで余計に負担が重くなってしまっては本末転倒。
老後の住居費負担が軽くなるメリットを得るためには60歳までに完済できるプランで考えていきましょう。
また、マンションの場合ではローンが完済しても管理費や共益費が毎月数万円かかるので、老後の負担を軽くするなら一軒家がいいと私は思います。
集合住宅の騒音問題からの開放
最上階に住んでいればあまり気になることは少ないかもしれませんが、それ以外の階に住んでいれば真上の部屋の生活音に悩まされることがあるのではないでしょうか。
私の知り合いからは、上の階の子供の足音や物音に時々悩まされてると愚痴を聞かされます^^;
持ち家といってもマンションではこの問題は解消されにくいかもしれませんが、一軒家であればその建物に住んでるのは自分だけですから静かな空間で生活することができます。
グレードの高い家に住める
賃貸用の設備や建物の仕様と持ち家用の仕様とではやはりグレードは違ってきます。また、お金に余裕があればグレードの高い仕様を選べるので、より快適な生活が送れるようになります。
ただ、ここでも注意点として支払い能力を超えた金額になってしまうと、いくらグレードのいい物に囲まれた生活といっても、心から楽しめなくなってしまうので身の丈にあった選択をしましょう。
結婚に有利になるかも
独身のうちに家を買おうと検討した時、『将来、結婚するかもしれない。』、『まだ結婚は諦めていない。』という場合、結婚相手として相手から良い印象を持たれる可能性があります。※あくまで可能性です。
ですので、独身のうちに買う家は、結婚のことも見越して多めの間取りで考えておくのもいいかもしれませんね。
しかし、結婚できるかどうかはわからないので、無駄に部屋数が多い家を買ってローンの返済が大変にならないように気をつけてください。
さて、いくつかメリットを上げてきましたが、独身で家を買ったらどんなデメリットがあるのかもみていきましょう。
独身で家を買うデメリット
- 修繕費・リフォームにお金がかかる
- 老後もローンで生活が苦しくなる
- 早い段階で家の寿命が来てしまう
- 自治会の行事や自治会費の負担が発生する
- 隣近所に迷惑な人がいても転居が難しい
- 結婚相手として見られにくくなる
デメリットとして6点あります。ひとつずつお話していきますね。
修繕費・リフォームにお金がかかる
賃貸の場合であれば、水漏れや設備の故障など不具合があった時、管理会社に連絡して対応してもらえます。それにかかった費用もよほどのことがなければ自分が負担することはありません。
家を買った場合は、その家の管理者は自分となるので、修理にかかる費用は全て自分が負担することになります。
また、ユニットバスやシステムキッチン、トイレなども耐用年数があり、10年~15年ほど使っていると故障が起きやすくなったり、劣化がひどくなり、交換が必要になってきます。この水回りのリフォームで100万以上はかかります。一軒家であれば外壁の補修も必要でしょう。私の同僚から、屋根と外壁の補修で100万ほどかかったという話を聞きました。
もちろん、お金をかける・かけないは家主であるあなた次第ですから、やり方によってはそんなにお金はかからないかもしれません。
でも、長く良い状態で家を保ちたければ、そういったメンテナンスをしっかりやっていく必要があります。
老後もローンで生活が苦しくなる
老後の住居費がかからないというメリットの部分で少し触れましたが、60歳までに完済しないとその後の生活が苦しくなることが予想されます。
会社によっては退職金制度がありますが、この制度はいくらでも変更できます。景気が悪く会社が赤字であれば、退職金なんて出せません。自分の給与から積み立てられていれば別ですが、そうでない場合、いざ60歳になっても退職金がもらえないというケースがありうるのです。
しかも60歳を過ぎれば、再雇用として給与も減額になるところが多いですから、ローンが残っていると収入に占めるローンの割合が大きくなり、生活が急に苦しくなります。
そうなると生活レベルを下げる必要が出てきます。外食をやめるとか旅行をやめるとか色々ガマンすることが多くなるので、そうならないように資金計画を考える必要があります。
早い段階で家の寿命が来てしまう
独身で家を買おうと検討してる人の年齢は20代~30代が多いですが、家の寿命は大事に使えば40年~50年はもつといわれています。20代で家を買った場合、良くて70代までもつということになりますね。
ただし、家の周辺の環境や建物に使っている材質、そのほかにメンテナンスを怠っていると寿命は短くなってしまいます。
建物の劣化は避けられないので、メンテナンスをしっかりやることが重要です。資金に余裕があれば建て替えがベストでしょう。
ただ、結婚を考えているのであれば、独身のうちに買ったことでメンテナンスの時期や建て替えの時期が早まるので、結婚してから早い段階で大きな出費が来ることを念頭にいれておいてください。
自治会の行事や自治会費の負担が発生する
賃貸の時には無関係だった自治会との関わりが出てきます。
公園や周辺の清掃、町内パトロールなど近所の人たちとの関わりが多くなります。
独身であれば自治会に入らなくてもいいと言われるケースもありますが、ゴミステーションなど共用スペースを使ってることもありますので、できれば自治会に入ったほうがご近所さんとの関係性が良くなるのではないでしょうか。
また、自治会に入る場合は、年6千~1万ほどの自治会費を払う必要があります。自治会の活動に必要な備品や修繕費などに使うものです。
自治会に入らないことでトラブルが起きてるケースもありますから、長く住むことを考えて、面倒なことにならないためにも自治会に入っておいたほうがいいでしょう。
隣近所に迷惑な人がいても転居が難しい
賃貸であれば、別の物件に引っ越すことは比較的簡単にできますが、家を買った場合は多額のローンが残ってますから、そう簡単に引っ越すわけにはいきませんよね。
隣近所にどんな人が住むのか(住んでるのか)は新居に引っ越してみないとわからないので、ある意味、賭けですね。
これは私の主観ですが、新規分譲地であれば20代~30代くらいの子育て世代が多いと思うので、そこの建物が安すぎなければ、そこそこ常識のある人達が集まってくるのではないかと推測します。
結婚相手として見られにくくなる
先ほどのメリットのところでは、結婚相手として見られる可能性があるとお話しましたが、逆に結婚相手候補から外される恐れもあります。
こればかりは人の価値観なので難しいところですが、一般的には『家は結婚してから買う』という人が圧倒的に多いので、独身で家を買う人を『変わった人』として見られてしまう場合もあるのです。
最初から結婚を考えずに家を買う人には関係ない問題ですが、少しでも『結婚するかも』という可能性のある人は、こういった懸念点もあるということを覚えておいてください。
さて、家を買った場合のデメリットについてお話しましたが、『やっぱり賃貸にしようかな』と思ったのであればこの先のお話を読んでから考えてみてください。
独身で賃貸生活を続けるデメリット
- 買うタイミングを逃し、一生賃貸生活
- 家賃を払い続けても、自分の家にはならない
- 老後の賃貸契約ができない恐れ
大きく3つですが、なかなかヘビーな内容なので、しっかり読んでください。
買うタイミングを逃し、一生賃貸生活
『結婚してから家を買おう』とか『もっと頭金を貯めてから』という考えも間違いではありません。
ですが、先送りにした結果、起こりうる問題として下の3つのことが考えられます。
- 国の減税制度や地域の補助制度が終了してしまい、購入にあてる費用が多くなる
- 消費増税、物価上昇で全く手が出せない金額になってしまう
- 年齢と返済期間、借入額の関係で銀行の審査に通らなくなってしまう
この3つの中で一番の懸念は銀行の審査に通らなくなってしまうことでしょう。
お金が借りられなければ家を買えないという人が大多数ですから、フラット35の利用を考えても44歳までに家を買わなければ、その後の審査は厳しくなると予想されます。フラット35の条件として完済時年齢が80歳の誕生日までですから、最長の35年で返済するとして44歳になるまでに申し込まなければいけないのです。
家賃を払い続けても自分の家にはならない
賃貸はその名の通り、借り物なので、いくら家賃を払い続けても自分の家になることはありません。
家賃を払いながら、頭金を貯めるのも大変です。ローンを払いながら繰り上げ返済分を貯金していくほうが自分の家を手にすることができるでしょう。(ローン返済中はまだ自分の家でありません。銀行の物です。)
老後の賃貸契約ができない恐れ
昨今、老人がアパートで寂しい最後を迎えることが珍しくなくなってきました。
こうした背景から老人1人で住まわせることをためらう不動産屋も出てきています。
当然ですよね。事が起きた後の部屋には住みたくないと思うのは自然ですし、隣の部屋に住んでいた人も引っ越して空き部屋になってしまう恐れもあります。
不動産を経営する側で考えると、収益が減ってしまって経営に悪影響が出ては困るので、トラブルが起きやすい老人の入居は避けたいという流れが想像できます。
そうなると、老後の生活が危ぶまれるので、独身でずっと賃貸生活を続けようと考えるのであれば、こうした状況も覚悟しなければなりません。
まとめ
独身でも一軒家やマンションを買うという人が徐々に増えてきています。
地方の不動産屋さんに『独身でも家を買う人いますか?』と聞くと、『いますよ』と答えるので、業界の人から見ればそう珍しくないことのようです。
それでも家庭を持ってから家を買う人が多いのが実情ですから、近所の人からは珍しいと思われても仕方ないですね^^;
そこは挨拶とかコミュニケーションをとって、ヘンに誤解されないようにしていきましょう。
【参考元】
一般社団法人 不動産流通経営協会(PDF)