たまにテレビで鯖缶ダイエットということでサバを取り上げていますが、サバって脂が多くてカロリーが高いからほんとに痩せるの? と疑問に思いませんか?
実は、サバの脂は人間の体温で溶けるので動物性脂肪よりも健康的なんですよ。
そしてその脂がダイエットに役に立ってくれるんです!
『脂』と『ダイエット』
相反するものですが、詳しくはあとでお話していきますね(^^)
あと、テレビでも言っていた『GLP-1』について、勘違いしてる人が私の周りにいたので、GLP-1についても少し触れてます。
では、まずはカロリーからみていきましょうか。
生サバ・塩サバ・サバの開き・鯖缶のうちカロリーが低いのはどれ?
『サバ』と一言でいっても、いくつか種類があります。
今回は『生サバ』、『塩サバ』、『サバの開き』、『鯖缶(水煮)』、『鯖缶(味噌煮)』の100グラムあたりのカロリーをまとめました。
- 生サバ(真鯖):247キロカロリー
- 塩サバ:291キロカロリー
- サバの開き:348キロカロリー
- 鯖缶(水煮):190キロカロリー
- 鯖缶(みそ煮):217キロカロリー
参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
一番カロリーが高いのはサバの開き。
一番カロリーが低いのは鯖缶(水煮)
となりました。
ちなみに私がスーパーで買ってくる塩サバの半身が約90~95グラムです。
サバの開きの348キロカロリーはスナック菓子の100グラムあたりのカロリーと同じくらいですが、当然サバの開きのほうが栄養がありますから、カロリーが高くても得られるメリットはサバの開きのほうが大きいですよね。
そして、ダイエットに向いている理由は、サバの脂に秘密があります。
次はそのお話です。
サバの脂がダイエット効果をもたらす!
サバの脂はn-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)という多価不飽和脂肪酸が含まれています。
この脂肪酸は体にとって必要な脂肪酸なのですが、自分の体から作ることができないので、食物から摂取する必要があります。
サバの魚油には下の2つの成分があります。
- EPA(エイコサペンタエン酸またはイコサペンタエン酸)
- DHA(ドコサヘキサエン酸)
この魚油が体脂肪の減少に効果が期待できるという研究結果が京都大学から出ました。
どんな働きか簡単にいうと
- 魚油は『ベージュ細胞』という脂肪を分解する細胞を増やす
- その細胞が増えることでエネルギー代謝を向上させる働きがある
- よって、脂肪燃焼効果が期待できる。
ということなんです。
(参考:京都大学)
京都大学の研究ではEPAとDHA両方含めて『魚油』として研究内容をまとめていますが、私はEPAにダイエット効果があると考えます。(私の主観ですので、間違ってる可能性もあることご容赦ください。)
なぜなら、ニッスイのサラサラ生活向上委員会に掲載されている内容によると、EPAを摂取すると血中濃度が4週間で250%アップしました。(EPA:600ミリグラム、DHA:260ミリグラムの魚油の場合)
ですが、DHAは摂取後も血中濃度はほとんど変わりませんでした。(EPA:220ミリグラム、DHA:900ミリグラムの魚油の場合)
この結果からダイエットとして注目すべきなのはDHAではなくEPAだと私個人は考えます。
(参考:ニッスイ サラサラ生活向上委員会)
それともうひとつ、『GLP-1』という成分がさばに含まれているということでダイエット向きといわれてますが、本当に効果が期待できるのか次にお話します。
GLP-1はダイエットに効果があるの?
結論からいうと、脂肪を減らすのではなく、脂肪をつきにくくします。ダイエット効果の期待度は低い!
『痩せるホルモン』と謳われていたりしますが、GLP-1が脂肪を減らしてくれるわけではありません。
また、サバや鯖缶にGLP-1は入っていません。
GLP-1は私達の体の中で小腸から分泌されるホルモンです。
では、このGLP-1は体内でどんな働きをするのかというと
- 食後、インスリンの分泌を促す。
- 胃の中の消化物をゆっくり小腸に送ることで糖の吸収を遅らせ、血糖値の急上昇を抑える。
- 脳の満腹中枢に働きかけ、食べ過ぎを抑える。
などの働きがあります。
GLP-1は空腹時や血糖値が低いときには分泌されません。
食後に分泌されるんですが、より効果的に分泌させるには『食物繊維』と『EPA』が必要になります。
ただし、EPAとGLP-1の関係については、『GLP-1を増やす効果がある』という話もあれば『GLP-1を増やす効果はない』という話もあり、いまひとつ説得力に欠けます。
なので、GLP-1のおかげで痩せるのかという結論は、『痩せない』です。
誤解しないでほしいので、改めていうとEPAには脂肪を分解する細胞を増やす働きがあるので、EPAにはダイエット効果は期待できます。
次は、適切な量や効果的に食べるタイミングついてお話します。
1日に食べる量はどのくらいが適量?
まず、厚生労働省が推奨しているEPAの1日あたりの摂取量は1000ミリグラム以上となっています。
上限は3000ミリグラムまでです。
EPAを摂りすぎると、血がサラサラしすぎて出血が止まりにくくなるので注意しましょう。
下の一覧は100グラムあたりのEPAの量です。
- 生サバ:690ミリグラム
- 焼き鯖:900ミリグラム
- 塩サバ:1300ミリグラム
- サバの開き:1500ミリグラム
- 鯖缶(水煮):930ミリグラム
- 鯖缶(みそ煮):1100ミリグラム
参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
手間をかけずに1000ミリグラム以上摂れるのは缶詰のみそ煮ですが、みそ煮は糖分も含まれるので糖質が気になるところ。
なので、鯖缶であれば水煮がヘルシーですね。
ただ、缶詰は少し割高感もあります。
焼く手間が面倒でなければ、塩サバのほうがコスパがいいですよ。
参考として言うと、私がスーパーで買ってくる塩サバの半身が約90~95グラムです。
食べるタイミングは朝?昼?夜?
これは国立研究開発法人産業技術総合研究所のマウスの実験によると、中性脂肪の低減量やDHA・EPAの血中濃度が高かったのは朝に魚油を摂取したマウスだったとのことです。
(参考:国立研究開発法人産業技術総合研究所)
まだ、人間での実証はされてないようですが、参考にできる結果ですよね。
夜に食べても、もちろん効果はありますが、より効果的なのは『朝食べる』ということです。
昼に関しての情報がありませんでしたが、朝と夜に効果があって、昼は効果がまったくないことはないと思うので、昼しか食べるタイミングがないという場合はお昼に食べてください。
ダイエットにおすすめの調理法
ダイエットという観点で考えると、『水煮』か『塩サバを焼く』というのがいいのではないでしょうか。
水煮は自分で作ると手間なので缶詰がいいですね。
塩サバはスーパーで半身が売ってますから、それを買ってきて、電子レンジのグリル機能を使って焼くと時間も設定できるので焼きすぎることもないですよ。
天板にクッキングシートを敷いて焼けば溢れた魚油を無駄にすることなく摂取できます。
網で焼いてしまうとせっかくの魚油が落ちてしまいますからね。
まとめ
サバは脂質が多いのでカロリーが高めですが、その脂質に含まれるEPAは脂肪燃焼に役に立つ成分なので、1日に半身を食べるように習慣づけると1ヶ月過ぎたあたりから体に変化が期待できるのではないでしょうか。
そもそも、お菓子の食べ過ぎや他の食べ物にも気を使わないと意味がありませんので、生活全体の習慣を見直すとダイエット効果が上がりますよ。