寒くなると無性に食べたくなるのが『焼き芋』ですね。
どうやら焼き芋のブームが来てるらしく、第4次焼き芋ブームといわれています。
ほんのり甘くて、ほっこりする焼き芋について、栄養とその効果について色々調べてみました。
焼き芋は炭水化物なので、カロリーが気になったり、太るんじゃないか気にしながら食べてませんか?
もちろんたーくさん食べたら太りますけど、1本食べたら結構十分ですよね。
1本食べたぐらいでは、太るまでいかない秘密があります。
それでは、焼き芋の栄養と効果、炭水化物なのに太りにくい理由もお話していきます。
焼き芋のカロリーとGI値について
焼き芋のカロリー
焼き芋のカロリーは100グラムで163キロカロリー。
100グラムは約20cmくらいの大きさです。
通常のよく売られている大きさは200~300グラムほど。
300グラムの焼き芋のカロリーは489キロカロリー。
焼き芋1本で約500キロカロリーも摂取してしまうのは高カロリーで太ってしまうのでは?と思うかもしれませんが1日に1本くらいなら問題ありません。
どうしても気になるという場合は、3食の内、1食を焼き芋にするなど置き換えた食事をしてみてください。
焼き芋のGI値
さつまいもは生の状態であればGI値55ですが、焼き芋にすると100前後の数値まで上がります。
つまり、焼き芋は血糖値が急上昇しやすいという見方になるんですが、GI値を下げる方法があります。
それは・・・
焼き芋を冷やす!
アツアツの状態では高GI値ですが、冷ますことでGI値を下げることができます。
なぜ、冷ますとGI値が下がるのか?
それは、冷めることでんぷん質の一部が再結晶化して消化されにくいレジスタントスターチという成分に変わるからです。
詳しくは後で説明しますね(^^)
冷やすといっても冷たくする必要はありません。常温で大丈夫です。お好みで冷蔵庫で冷やすのは問題ありません。
グリセミックインデックスの略でGI値(ジーアイチ)と呼びます。
これは血糖値の上昇率をグラフの面積から算出します。ブドウ糖の上昇率を100として、食品のGI値を示してます。
焼き芋の主な栄養素と効果
焼き芋1本(300グラム)の主な栄養素はこのようになっています。
カッコ内の数値は一食あたりの目安です。
【カロリーと3大栄養】
- カロリー:489キロカロリー(536~751キロカロリー)
- タンパク質:4.2グラム(15~34グラム)
- 脂質:0.6グラム(13~20グラム)
- 炭水化物:117グラム(75~105グラム)
【ビタミン】
- ビタミンB1:0.3ミリグラム(0.32ミリグラム)
- ビタミンB2:0.18ミリグラム(0.36ミリグラム)
- ビタミンB6:0.99ミリグラム(0.35ミリグラム)
- ビタミンC:69ミリグラム(33ミリグラム)
- ビタミンE:3.9ミリグラム(2.2ミリグラム)
- ナイアシン:3ミリグラムNE(3.48ミリグラムNE)
- パントテン酸:3.9ミリグラム(1.5ミリグラム)
- 葉酸:141マイクログラム(80マイクログラム)
※ナイアシンの単位(ミリグラムNE)はナイアシン特有の単位です。
【ミネラル】
- カリウム:1620ミリグラム(833ミリグラム)
- カルシウム:102ミリグラム(221ミリグラム)
- マグネシウム:69ミリグラム(91.8ミリグラム)
- リン:165ミリグラム(381ミリグラム)
- 鉄:2.1ミリグラム(3.49ミリグラム)
- 銅:0.6ミリグラム(0.24ミリグラム)
- マンガン:0.96ミリグラム(1.17ミリグラム)
【その他】
- 食物繊維:10.5グラム(5.7グラム)
さつまいもは炭水化物と思ってる人は多いと思います。
確かに炭水化物がメインですが、それだけじゃなくて、たくさんの栄養素が詰まってるんです!
熱に強い栄養素もあり、焼き芋でもしっかり栄養が摂れて、体を元気にしてくれる最高の食べ物です。
その豊富な栄養素の中から、特に注目してほしい栄養素について掘り下げていきましょう。
ナイアシンの効果は現代の病気にも効果的!?
年々、うつ病など精神疾患に悩まされている人が増えていますが、さつまいもに含まれているナイアシンは、精神疾患予防効果が期待されているビタミンで、これが不足するとイライラや不安など精神面が不安定になります。(参考:一般社団法人オーソモレキュラー.jp)
ナイアシンは、熱に強いので加熱しても栄養が壊れることはありません。
ただ、水溶性なので茹でた場合は、溶け出してしまいますから、できれば汁も飲むようにしてください。
そう考えると、焼き芋はナイアシンを無駄なく摂取できますね。
病気への効果は、あくまで「期待」とし、効果を保証するものではありません。
当ブログでは、責任を負いかねますので、必ず医師の診断を受けてください。
デンプン質は冷めると食物繊維に変身する!
これは先程お話しました『レジスタントスターチ』のことです。
焼き芋のでんぷん質が冷めることで一部が消化されにくい成分に変わり、食物繊維と同じ働きをします。
冷ますといっても、どのくらいまで冷ませばいいのか気になりますね。
ベストなのは、冷蔵庫で最低2時間冷やすといいです。
また、ご飯でレジスタントスターチ量の変化を研究した結果では、常温で1時間放置しただけでも、約1.5倍増加したという結果が出てます。(参考:宮城教育大学機関リポジトリ)
なので、冷蔵庫で冷やすのが嫌であれば、常温でも大丈夫です。
注意点として
- いきなり冷凍しない
- 冷やしたあとは再加熱しない
まず、『いきなり冷凍しない』というのは、レジスタントスターチは冷めていく過程でゆっくり作られます。
ですので、レジスタントスターチができる前に冷凍してしまうと、でんぷん質が固まって変化できない状態になってしまうので、冷凍するのであれば、冷蔵庫で2時間ほど冷やしてから冷凍してください。
次に、『冷やしたあとは再加熱しない』というのは、再加熱することでレジスタントスターチが元のでんぷん質に戻ってしまうからです。それでは冷やした意味がなくなってしまいますからレンジやオーブンで温めないように注意してください。
冷蔵庫から出して、常温に戻す程度であればレジスタントスターチは減りません。
食物繊維は加熱すると増える!
さつまいもに含まれている食物繊維は、『不溶性食物繊維』と『水溶性食物繊維』の2種類の食物繊維があります。
焼き芋にすると『不溶性食物繊維』は生より約1.5倍増加します。
不溶性食物繊維の働きは
- 便のかさ増しになる。
- 大腸を刺激して腸の動きを良くしてくれる。
- 有害なものを便と一緒に体外へ出してくれる。
- 善玉菌の餌になり、腸内環境を改善してくれる。
などがあります。
水溶性食物繊維の働きは
- ゼリー状の繊維が他の消化物の混ざって腸内の移動をスムーズにする。
- 小腸での栄養吸収速度をゆっくりにして血糖値上昇を抑えます。
- コレステロールを吸着するので、血中コレステロール値を下げる。
- ナトリウムを体外に出し、高血圧予防効果がある。
- 善玉菌の餌になり、腸内環境を改善してくれる。
などがあります。
ちなみに水溶性食物繊維は加熱しても、生の時とほとんど量は変わりません。
ですが、量が少ないというわけではなく不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスが良い食べ物です。
なので、便の状態が良くなり便秘が解消できるわけです。
さつまいもにしかないヤラピンの効果で便秘解消!
食物繊維だけが便秘に効果があるわけではありません。
ヤラピンという成分も便秘に効果があります。
この成分は食品の中ではさつまいもにしかありません。
さつまいもを切ると白い液体として出てきます。昔から緩下剤(かんげざい)として使われていました。
緩下剤とは、比較的効き目が弱い下剤のことです。
熱にも強く、皮周辺にヤラピンが分布してるので、焼き芋は皮ごと食べることをオススメします。
食物繊維とのW効果で便秘を解消しましょう!
焼き芋の皮についてはこちらの記事でも解説してます。今まで皮をむいて食べてた人は一度見てみると考えが変わるかもしれないのでチェックしてみてください。
クロロゲン酸で糖の吸収を抑える!
コーヒにも含まれている成分、『クロロゲン酸』は糖の吸収を抑える働きがあり、脂肪を増やさない。そして体内の脂肪も燃焼させてくれるという優れもの!
糖の吸収を抑えるので血糖値上昇が緩やかになり、糖尿病予防効果も期待できるんです。
だからって、お菓子をバクバク食べたら意味ないですからね!(^^)
ポテトプロテインで満腹感アップ!
焼き芋は食べると腹持ちがいいでよね。
これって、単にカロリーが高いからとか食物繊維が多いからとかだけじゃないんです。
『ポテトプロテイン』って知ってますか?
じゃがいもやさつまいもに含まれているタンパク質で、腸内の満腹ホルモンの分泌を促して、満腹感を感じさせる働きがあります。
このポテトプロテインのおかげで食べ過ぎを防いで、長時間腹持ちが良くなるというわけです。
熱に強いビタミンCで美肌!
コラーゲンを作る上で欠かせないのがビタミンCです。
ビタミンCは抗酸化作用や免疫力UP効果など健康や美容には必須の栄養素。
さつまいもには300グラム中69ミリグラム入っています。一食あたりの目安が33ミリグラムなので、焼き芋1本で2食分のビタミンCが摂れるんですね。
しかも、さつまいものビタミンCは加熱しても壊れないので、焼き芋にしてもちゃんと摂取できます。
ただ、ビタミンCは水溶性なので体内に溜めておくことができず、余った分は尿と一緒に体外へ排出されてしまうので、こまめに摂ると効果的です。
とはいっても、こまめに焼き芋を食べるのはキツイと思うので、フルーツや他の野菜などからも摂るようにしてください。
葉酸の量は多いけど、熱に弱い
葉酸の働きは血を作ったり、妊婦さんの場合では、胎児の正常な発育に役立つ成分ですが、葉酸は熱に弱いため加熱調理で減少してしまいます。胃酸によってさらに減少するので、体に吸収できるのは約50%ほど。
さつまいもに含まれている量は多いですが、失われる量も多いので、焼き芋だけでなく他の野菜からも摂取するようにしてください。

炭水化物なのに太りにくい理由
これまでの話から、焼き芋を食べても太りにくい理由は
- 冷ますことで低GI値になる。
- レジスタントスターチが血糖値上昇を抑える。
- 食物繊維が糖の吸収をゆるやかにする。
- クロロゲン酸が糖の吸収を抑え、脂肪を燃焼させる。
- ポテトプロテインで満腹感が持続し、食べ過ぎ防止になる。
ということです。
焼き芋の栄養と効果 まとめ
昔は寒い季節にしか食べられなかった焼き芋ですが、今では年中食べられる時代です。
「い~しや~きいも~ おいもっ」って言いながら焼き芋を乗せた軽トラックが昔は走っていたのですが、今ではすっかり見なくなりましたね。
懐かしい(´・ω・`)
それにしても、焼き芋一本で食事が完結してしまいそうなくらい栄養豊富な食材ですね。
砂糖も添加物もないので、ヘルシー。それでいてほんのり甘いのでおやつにも最適。
うまく活用して、健康維持、素肌美人になりましょう!
